世界最後の超特急とも云われる最高速列車、いなづま号の公開試運転が報道開係者招待で行われることになった。一平は試乗したい一心から、由利子のあとを追い毎日新報の写真機材が入ったトランクを持って発車駅にかけつけた。ところが、あわてていた一平はトランクを間違えて、相川博士が発明した人工生命M1号の入った方を持ち込んでしまったのである。この人工生命M1号は、小さな高圧ボンベに押し込まれているが、普通の気圧にふれると細胞分裂を起して、巨大な生物になってしまうのだ。知脳指数は人間程度あるという。相川博士の依頼で、慎重をきして大阪へ運ぼうとしていた淳は、はじめてトランクが入れ換っていることを知り、あわてていなづま号発車駅に連絡。だが、いなづま号はすでに発車したあとだった。駅から連絡をうけて、トランクは運転室と区切られた一角にある耐震ロッカーへ、直ちに保管された。ところが、記者のひとりがトランクを開けて、人工生命M1号をフラッシュ撮影したことから、しばらくして人工生命M1号が変動しはじめた。M1号は次第に大きくなり、頭部は猿のような感じで、下半身は哺乳類と違った姿を現わした。そのM1号が、運転席に入り込んで列車の人工頭脳を破壊し、非常制動も使用不可能にしてしまった。時速数百キロで走るいなづま号は、試乗者をのせたまま、とどまることを知らずに突っ走っていく……。
「ウルトラQ・あらすじ集」より引用
東映ビデオ版やLD-BOX版で「地底超特急西へ」というサブタイトルのテロップが出る時に入っていたブレーキ音のSEが、パナソニックデジタルネットワークサーブから発売されたDVDには、入っていない。その他にも、淳が相川教授のトランクを開くと一平のそれの中身が出てくるというシーンのM-1のキハーダによるショック音も入っていない。